子どもたちが室内で三線の練習をしていて、前方の椅子に座った子どもが三線を弾き、後ろで他の子どもたちが立って歌を歌っている練習風景の写真

朝が涼しくなる時期です。昨日は毛布を出しました。

夕暮れ時、志津川の一角に三線(さんしん)の調べが聴こえてきました。サンシンズジュニアの練習が始まったようです。

南三陸町サンシンズジュニアは町の子どもたち17~8名の所属する音楽チーム。全員が、震災直後から半年間を志津川高校の避難所で過ごしました。

その頃、避難所には自衛隊沖縄部隊の拠点がありました。彼らが避難所の人々を励ますため、開いてくれたのが三線の演奏会です。初めて聴く音色に魅せられた子どもたち。自衛隊員の方に演奏や沖縄の歌を習い始め、そこからチームが生まれました。

それから2年、住まいの移動や進学など暮らしの変化を経つつ今も練習を続けているサンシンズジュニア。
週2回プレハブの貸しスペースに集まり、お互い演奏を聴かせ合いながら技術を磨いています。

「多目的ルーム」と書かれた看板が掲げられている建物の外観で、夜間に灯りがともり、窓から子どもたちが三線の練習をしている様子が見えている写真

「いかんお盆さぼっとったわ」、「今日ちょっと声出てないんでないの」BEGINの皆さんとの競演など、すでにいくつものステージを経験してきた彼ら。子ども同士とはいえ、練習に甘えはないようです。

チームの保護者である内海明美さんにお話を伺いました。このブログ上でお伝えしたいことはありますか、と訊くと「自衛隊の皆さんに恩返しをしたい」と答えてくれました。

「子どもたちにとって自衛隊の方々はヒーローです。2012年の夏には那覇市で再会するなど交流が続いており、今も見守り続けてくださっています。東北で三線の文化を続けていくことが、私たちからのお礼になると思っています。」

室内のステージ前で三線を持った子どもたちが座り、後ろで立って歌う子どもたちがいる、三線教室のグループ練習中の写真

先日の歌津復興夏まつりでは、沖縄からのご支援者や大勢の観客を前に演奏を披露。潮風に流れる音色に、皆静かに聴き入っていました。その響きは海の向こうの、懐かしい人々の元へも届いたでしょうか。

屋外ステージで黒い服を着た子どもたちの合唱グループがマイクの前に並び、その隣で三味線を演奏する子どもたちもいて、観客に向かって歌と演奏を披露している様子の写真
観客席から屋外ステージを撮影した写真で、ステージ上の子どもたちの合唱グループと、その前で観客が鑑賞している全景の写真

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