カラフルなのぼり旗の前に、津波被害を受けて錆びて傷だらけの赤い郵便ポストが台の上に飾られている写真

いつも大切な手紙を届けてくれるポスト。
しかし、そのポスト自身が遠い地へ届けられたとしたら…?

カラフルなのぼり旗の前に、津波被害を受けて錆びて傷だらけの赤い郵便ポストが台の上に飾られている写真

沖縄・西表島の砂浜で傷だらけのポストが見つかったのは2012年の暮れのこと。
調べると、もとは南三陸町歌津地区のコンビニエンスストアに立っていたものと分かりました。
津波によって流されたポストが21ヵ月をかけて日本の南端にたどり着いたのです。

南三陸から西表島まで直線距離で約2,400キロメートル。
海流に乗ってアメリカ大陸沿岸を回ったのでは?と言う人もいて実際はどれだけの距離を旅したのか見当もつきません。

そしてポストは沖縄県八重山諸島、日本郵政ほか多くの方の協力によって南三陸町へ帰ってくることとなり、先週8月11日、歌津復興夏まつりの会場にて返還式がおこなわれました。

魚竜ウタツサウルスと町の子供たちに連れられポストが伊里前の山を下りてきます。

色とりどりの飾りや看板をつけた軽ワゴン車が、郵便ポストを載せて沿道をパレードしている、返還式の様子の写真
郵便ポストを載せてピンクのイルカの装飾などがで飾られた軽トラックの後ろを、青い波を模した布を持った子どもたちと大人が歩いているパレードの様子の写真

「ポストくんおかえりコンサート」には町の三線チームやBEGINの皆さんなどが出演し会場を人で埋め尽くす盛況ぶりを見せました。

黒いTシャツを着た子どもたちが、マイクの前に立って合唱を行い、横並びに三味線などの楽器を演奏している「ポストくんおかえりコンサート」の様子を写した写真
夕暮れ時の野外ステージでバンドが演奏し、それに合わせて大勢の観客が手を振りながら盛り上がっている様子を写した写真

「あきらめるな、というポストからのメッセージを感じます。
 復興に臨み続けている町の人々の気持ちにも弾みがつくでしょう。」と佐藤町長。

町を勇気づけ、また新たな縁を生んだポストは当面平成の森にて保管されるとのこと。
故郷の地で、ほっと一息ついてくれることでしょう。

夕暮れ時の広い駐車場と河川敷に設けられた会場に白いテントが並び、たくさんの人々が屋台やステージを楽しんでおり、奥には川と橋、手前にはびっしりと並んだ車が見える、イベント会場の全体のにぎわいを遠景からとらえた写真

(日比谷)

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