
いつも大切な手紙を届けてくれるポスト。
しかし、そのポスト自身が遠い地へ届けられたとしたら…?

沖縄・西表島の砂浜で傷だらけのポストが見つかったのは2012年の暮れのこと。
調べると、もとは南三陸町歌津地区のコンビニエンスストアに立っていたものと分かりました。
津波によって流されたポストが21ヵ月をかけて日本の南端にたどり着いたのです。
南三陸から西表島まで直線距離で約2,400キロメートル。
海流に乗ってアメリカ大陸沿岸を回ったのでは?と言う人もいて実際はどれだけの距離を旅したのか見当もつきません。
そしてポストは沖縄県八重山諸島、日本郵政ほか多くの方の協力によって南三陸町へ帰ってくることとなり、先週8月11日、歌津復興夏まつりの会場にて返還式がおこなわれました。
魚竜ウタツサウルスと町の子供たちに連れられポストが伊里前の山を下りてきます。


「ポストくんおかえりコンサート」には町の三線チームやBEGINの皆さんなどが出演し会場を人で埋め尽くす盛況ぶりを見せました。


「あきらめるな、というポストからのメッセージを感じます。
復興に臨み続けている町の人々の気持ちにも弾みがつくでしょう。」と佐藤町長。
町を勇気づけ、また新たな縁を生んだポストは当面平成の森にて保管されるとのこと。
故郷の地で、ほっと一息ついてくれることでしょう。

(日比谷)
