伐採された山の上で青いビニールシートが地面に敷かれた現場に、ヘルメットを着用した関係者たちが集まり、発掘調査視察が行われている場所を視察している写真

台風が過ぎ去りからっとした晴天の朝。気温は一気に下がり、冬が近づいてきた気がします。

防災集団移転において176戸、災害公営住宅においても176戸の建設が計画されている志津川地区の中央工区。ここの高台には「新井田館(にいだたて)跡」という室町~戦国時代のお城の遺跡があるため、今年の3月から来年の3月末まで、約1年間かけて発掘調査が行われています。

プレハブの建物の前で工事関係者らが円になって打ち合わせを行っている写真

場所は、仮設店舗で営業しているセブンイレブン志津川天王前店の駐車場から北を向いて、左前に見えるこの辺りです(写真の右端に見えるのは国道45号線)。

手前にある広い舗装された駐車場の先にある山林の左側の部分が赤い楕円で囲まれた写真

上から見下ろすと、志津川湾が見えます。

伐採された造成予定地の一部に青いネットが設置され、ビニールシートが被せてあり、その下には林と海に面した山間の町が見える写真

現在の調査体制として、町の教育委員会生涯学習課の他に宮城県の文化財保護課6名の調査員に協力いただき、さらに臨時スタッフとして約60名の方に発掘作業をしていただいています。

切り株が残る山の斜面を掘り下げた場所で、ヘルメットをかぶった多くの作業員が手作業で遺構を掘り出している発掘調査の作業中の写真
重機と作業員が地面を掘り進めている傍らで、広い範囲に青いビニールシートが掛けられている山中の発掘現場の全景写真
伐採後の急な土の斜面を複数の作業員が登って調査しており、地中の遺構を探しながら慎重に掘削している発掘現場の写真

新井田館跡は高台に作られた山城でかなり堅牢に作られており、日常の住まいではなく、戦いの時に使うための臨時拠点だったことが分かっているそうです。このようなお城は町内に32箇所もあるとのこと。

山の急な斜面に青いビニールシートが点在し、右側には伐採されていない針葉樹林が広がっている写真
削られた岩肌の下に青いビニールシートがかけられ、上部に数人のヘルメットをかぶった作業員が立っている発掘調査現場の様子の写真

一番高いところに上がると、そこは以前お城があった場所。

岩盤の地面に青いビニールシートが多数敷かれ、奥には黒い杉林と海が見える高台の発掘現場の風景写真
岩がむき出しになった発掘現場の上をヘルメットを着けた関係者が歩いている調査現場の視察中の写真

所々に柱が建っていた跡があります。

岩盤の表面に等間隔で多数の四角く掘られた穴があり、周囲が青いネットで囲まれている柱穴跡の発掘現場の写真
硬い岩盤に円形や楕円形に深く掘られた複数の柱穴跡が確認できる遺跡の柱穴の拡大写真

「当時の様子が分かる資料として貴重なもの」なので、調査結果を記録としてしっかり残し、調査が終了次第、高台移転のための造成が始まる予定です。

南三陸町教育委員会 生涯学習課

  • 住所:志津川字沼田56番地2
  • 電話:0226-46-2639

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