明るい室内にピンク色の背もたれの長椅子が3脚縦に並べて置かれている、受付前の待合スペースの写真

昨年12月にオープンして1か月余りが経った南三陸病院。

明るい室内にピンク色の背もたれの長椅子が3脚縦に並べて置かれている、受付前の待合スペースの写真

南三陸診療所のときはレディース外来ということでしたが婦人科と名前が変わったことで、診療内容などが変わったのか、患者さんも増えたのか?などを伺いに行ってみました。

2つ並んだ白い扉の間に、「婦人科」の看板と女性と子供のデザインの看板が設置されている写真
机の両側に椅子が配置された診察室の前で、右側を指さして話をしているグレーのユニフォームを着た中村幸夫先生の写真

お話を伺った中村幸夫先生は南三陸病院婦人科の非常勤医師です。
毎週金曜日のみの診療で、診察は予約の電話をしてからということです。
震災後、中村先生は婦人科医の立場から、南三陸町の女性を支援したいという思いでこの町に来てくださいました。
2014年から昨年12月まで南三陸診療所レディース外来の非常勤医師として2年間で152名の方(21歳から98歳)を診察してきました。
現在、介護老人保健施設ハイム・メアーズの施設長でそちらが常勤なのです。
中村先生の関連記事はこちら(荒砥塾)もご覧ください。

扉を開けた診察室の前で中村先生と、白い襟付きの薄いピンク色のユニフォームを着た笑顔の齋藤さんが立っている写真

診察は助産師の齋藤さんとお二人で対応しています。
患者さんについては以前より増えて来ているということです。
それでは気になる質問です。
分娩室はあるのですか?
「分娩室はありません。こちらでは、妊婦の方の診察および健診はしますが、赤ちゃんを産むのは設備の整った大きな病院で産んでもらいたいですね。」
なるほど、そうでしたか。
先生は「町で年間何人の子供が生まれますか?」と私に質問しました。
「確か、60人くらいしか小学校に入学しないらしいですから、それくらいですか?」
少子化だということを痛感しました。
月平均にして約12人しか生まれないということですね!(広報を見ても、確か最近はもっと少なかった。)

ピンク色の背もたれの大きな椅子の奥に様々な機器が並び、そちらを示しながら話をしている助産師の齋藤さんの写真
大きいモニターの下に、小さな画面とたくさんのボタンがついた白い操作盤があるエコーの機械の写真

診察室を見せていただきました。
産まれるまでお母さんのお腹の中の赤ちゃんを見ることができるエコーはもちろんあります。
経営の面からみると、高額な医療機器を購入しても、少ない出産を扱うということでは経営が成り立たないということでしょうか。難しい問題です。

白い壁の天井付近に、茶色の額に入った、「共に生きる」「希望」と書かれた書が2つ並んで飾られている写真

2016年、先生は目標を4つ掲げています。
1つ目は、この病院で“かかりつけ医”として診て、必要に応じて専門的な産婦人科医療機関への橋渡しをしたい。
2つ目は、患者さんには妊娠中から子育てについても助産師に相談していただき、一緒に気軽に支援していきたい。
3つ目は、若い人たちの子宮がんについては、女子中高生の子宮頸がん検診を推進していきたい。さらに健康について生活習慣などから見直す教育に協力したい。
4つ目は、更年期、老年期の女性たちが生き生きした生活ができるよう、婦人科医として啓発活動や診療をしていきたい。
ということです。
診察室の案内板にこの目標が書いてあります。

たくさんの文書や切り絵が掲載された、壁の掲示スペースを指しながら話をしている中村先生と齋藤さんの写真

コンパクトな町の医療のスタイルが少し見えてきたように感じました。
中村先生、齋藤助産師さんこれからも南三陸町の女性のためによろしくお願いいたします!!
(西城)

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