花壇に色とりどりの花が咲き、その奥に木造の小さな建物と森が広がっている写真

戸倉波伝谷地区、「波伝谷仮設入口」の看板から沢沿いをさかのぼると真新しい小屋が見えてきます。
『波伝谷高屋敷ふるさと資料館』です。

花壇に色とりどりの花が咲き、その奥に木造の小さな建物と森が広がっている写真

木造15坪の館内に波伝谷の自然についての資料や風景写真、震災直後の町を時系列で追った写真などが展示されています。

木造の資料館の中で、大人3人が壁や掲示ボードに貼られた地図や写真が展示されたパネルを見学している写真
災害後の風景を記録した写真や説明文がパネルに沢山貼られている展示の写真

館長を務めるのは町内出身の鈴木卓也さんです。

花壇や木造建物、木々に囲まれた森を背景に、丘の上でチェック柄のシャツを着た男性が話しをしている写真

鈴木家ではかつてこの場所で『農漁家民宿 かくれ里』を営んでいました。
明治時代に建てられた養蚕農家の屋敷を改修し、宿泊設備と民俗資料館を備えた宿は宿泊客に「かつての暮らしを肌で感じられる」と愛されていたそうです。

旅館や庭園の写真がパネルに多数並べられ、手前のテーブルの上には「かくれ里」と書かれた木製の看板が置かれている写真
茶色の外壁の2階建ての建物外観や、民宿の室内などの写真が並べられた展示パネルの写真

津波によって建物と収蔵品の多くが失われてしまったもののふるさとの良さを伝え続ける必然性を感じた卓也さん。
今年4月に『波伝谷高屋敷ふるさと資料館』を開館しました。
(「高屋敷」は以前の屋号だそうです)

「内容もレイアウトもまだまだ準備段階です。
 震災前の収蔵品のうち民具・漁具等いくつかは回収できており、東北歴史博物館の協力を受け修復中です。
 5月末には戻ってくる予定です。」

資料館はまだ大きな告知をしておらず、入館にも事前予約が必要ですが今後どう利用してもらうかは観光協会や地域の他施設と連携しながら定めていきたい、と卓也さんは言います。

卓也さんのお母様であり、波伝谷高屋敷で生まれ育ったあきよさん(下写真中央)にもお気持ちを伺うことができました。
現在は資料館の案内と語り部を担当されています。

背景に海が見える場所で笑顔の女性二人と男性一人が楽しそうに会話している写真

「戸倉の景色やおいしいものを味わった後に立ち寄っていただきたいですね。
 かつての『民宿かくれ里』もそんな場所でした。
 波伝谷の自然の美しさは以前と変わっていません。
 実際に来ていただいて、その目でご覧いただきたいです。」(あきよさん)

緩やかな坂の先に海が広がり、空には雲が多く浮かび、手前には復興施設が並んでいる写真

波伝谷は去年よりもさらに濃い緑に覆われ、卓也さん設計のビオトーブにはアメンボやオタマジャクシなどの生物が息づいていました。
この場所と資料館に何度も訪れたい、そんな気分になりました。

整備された小さな池の横に花壇や2台の自動車、プレハブの建物が見える写真

波伝谷高屋敷ふるさと資料館
旧『農漁家民宿かくれ里』サイト

ブログ『かくれ里でcaranke!!』

(日比谷)

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