夜の暗がりの中、明かりの灯った木造の建物の入り口が見え、入口横に手書きの黒板看板が置かれている自習支援TERACOの外観写真

受験シーズンですね。
お邪魔したのは志津川地区御前下、「自習支援TERACO」(てらこ)です。

夜の暗がりの中、明かりの灯った木造の建物の入り口が見え、入口横に手書きの黒板看板が置かれている自習支援TERACOの外観写真

ここは「勉強に集中したい人」を無料で受け入れる場所。
受験生をはじめ地元の学生・子どもたちが各自の課題に黙々と取り組んでいました。

屋内の照明の下、木の机に向かって数人の子どもたちが勉強に集中しており、落ち着いた雰囲気の中で学習支援が行われている様子の写真

運営のNPOグランドラインズ代表 小楠あゆみさんにお会いすることができました。

「自習支援の活動は2011年の4月から開始しました。町の小中学校はまだ始業式も迎えられない状態で、とにかく子どもたちが勉学から遠ざかってしまうことが心配でした。」

活動場所は志津川小学校体育館の避難所。
震災ボランティアの大学生とともに子どもたちの勉強を見守る日々が始まりました。

ホテル観洋の1室を利用していた時期を経て、2012年7月から拠点を現在の場所へ移動。
国際団体から寄贈された建物に、子どもたちが内装を施しました。

掲示物にかわいいぬいぐるみのキーホルダーと黄色い用紙に学習に関する貼り紙が張られ、本棚の上には受験に関する書物やたくさんの本が並んでいる室内の様子を写した写真
手書きで「携帯とイヤホンは絶対使用禁止」と大きく書かれた注意書きの貼り紙が掲げられている写真

「塾とは違い、あくまで自習室。自分からやる気を出してもらえるよう試行錯誤しています。」
調べ物ができる環境、個人別にファイリングされたカルテ。
子どもたちは自分でつけた成果表をもとに学習計画を組み立てるのだそうです。

これまでの利用者数250名、延べ1万5000人以上です。
仮設住宅住まいなど自宅に勉強場所のない子が多くを占めます。が、TERACOの重要性はそこだけではないとあゆみさんは言います。

「相談役に入るのは主に他所からボランティアに来ている大学生です。またTERACOで勉強して大学に受かった先輩がスタッフになる例も出てきています。子どもたちにとっては憧れのお兄さん、お姉さんなんです。」

町内には大学がなく、TERACOのような場所は希少です。
現役の大学生から話を聞くことで「勉強」のその先が具体的にイメージできます。

実際、子どもの希望をもとに大学見学や裁判の傍聴などが実現されたのだそうです。
その向学心は確実に外へ外へと広がっています。

「学ぶ力を武器に町の外でも負けない子になってほしい。社会のリーダー、町を再生させられる人材になってほしい。」

オクトパス君も応援しています。

合格祈願と書かれた旗を背負った赤いタコの置き物「オクトパス君」が台の上に飾られ、横にはお守りも飾られている様子を写した写真

自習支援TERACO ブログ

(資格取得を目指す大人も利用可能だそうです!)

(日比谷)

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