竹の棒が並べられた場所に学生たちが集まり、作業の手順を確認している様子の写真

8月初旬。
入谷地区にて、切り出した竹の周りに集まる学生たち。

竹の棒が並べられた場所に学生たちが集まり、作業の手順を確認している様子の写真

海外からの学生の姿も見えますが、一体何を作っているのでしょうか。

道端で竹を支柱として立てながら、数人の参加者が支え合って骨組みを作っており、基礎の構造づくりに取り組む様子の写真
数人の女性が地面に置いた竹を縄で結んだり、細かい作業を行っており、竹を固定するための準備に集中して取り組んでいる様子の写真

こちらにいらっしゃるのは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)と東京大学、宮城大学の学生さんたち、合わせて約25名。
MIT建築・都市計画学部の神田研究室が、毎年夏に日本の各地に1ヶ月程度滞在して行うJapan Design Workshop というプログラムで「日本の各地域に訪問・滞在し、その地域が抱える課題を、世界の学生視点で解決策を模索していくワークショップ」として、既に20~25年続けられているのだそうです。
東京大学と宮城大学の学生たちは、日本側の協力大学としてプログラム運営に協力し作業にも参加しています。

傾斜地に配置された複数の竹が足場のように並べられ、奥にいる二人の作業者が取り付け作業をしている様子の写真
竹の骨組みが立ち上がり始め、斜面で何人もの人々がそれぞれの持ち場で作業を進めている様子を写した写真

震災後から、復興支援活動として南三陸でも活動を始め、今年で3年目。
過去のプログラムでは、住民の方々の要望を受けて、歌津平成の森仮設住宅と馬場中山集落に、「地域住民が集える場」を建設されました。

今回は入谷の林際地区で、気軽に集える「小さなおぢゃっこ場」を1週間かけて建設中。
「高齢の方が増えて前よりもおぢゃっこがしにくくなったんだ」、という話を地元の方に聞いたことから、「皆が集える場」を作ります。
(補足:おぢゃっことは、「お茶飲み」のことです)

道路のそばで複数の作業グループが竹を切ったり並べたりして作業している様子を写した写真

「私たちは学生なので予算はあまりないんですが、地域に滞在し、いろんな皆さんの声を聞く中で、時間をかけて様々な”場”を作ってきました。
もちろん地元の皆さんの力もお借りしながらではあるのですが、参加している学生には、自分たちで行動すればちゃんと形を作れる、できる、ということを吸収してもらいたいんです」
そのようにお話されたのは、MIT Japanワークショップ事務局の鈴木さやさん。

調達した竹は、入谷の方に理解をいただき切り出したもので、加工に関しても「不慣れな手つきを見ていられなくなった」地元の大工さんに協力をいただきながら進めています。

地面に座り込んで竹をのこぎりで切ったり、寸法を合わせて加工している3人の男性が、真剣な表情で作業している様子の写真

完成したものはこちら。

完成した竹のデッキの上で、4人の地元の女性たちが笑顔で腰かけてお茶を楽しんでおり、自然の中でひとときを過ごしている様子の写真
石碑の前に集まったたくさんの人々が、完成した竹のデッキを囲みながら話をしている様子を写した写真

震災をきっかけに、新たな関係性が生まれています。
(安藤)

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