白を基調とし、一部ベージュの外壁、2階建ての建物で診療所の建物の前に広々とした駐車場となっている公立志津川病院仮設診療所の外観写真

台風が過ぎてから、朝晩は肌寒くなりました。近隣の港には秋刀魚も上がり、いよいよ秋がやってきます。

震災で壊滅的な被害を受けた、町の医療機関。公立志津川病院(126床)は5階建ての4階まで津波の被害を受け、6つの診療所は全て流され、医療機関は一時ゼロになりました。

震災当初の危機的状況は、全国各地から駆けつけていただいた支援チームのお陰でなんとか持ちこたえることができました。そして2011年4月18日、イスラエルの医療チームが高台に設けたプレハブの仮設診療所と医療機器を引き継ぐ形で、「公立志津川病院仮設診療所(現在は南三陸診療所)」として再開します。

白を基調とし、一部ベージュの外壁、2階建ての建物で診療所の建物の前に広々とした駐車場となっている公立志津川病院仮設診療所の外観写真

現在南三陸診療所では、震災前とほぼ変わらない状況での外来診療が出来ているそうです。

緑色の長椅子が規則的に並べられた待合室で、高齢者を中心とした複数の患者が座って診察の順番を待ち、奥のカウンターでは職員が受付対応をしている診療所内の待合室の写真
白い壁と明るい照明の廊下の両側に診療科の出入口が並び、壁には手すりが設置され、高齢の患者たちが長椅子に座って順番を待っている診療所内の廊下の写真

しかし診療所だけでは入院患者に十分な対応ができなかったため、2011年の6月1日に隣町の登米市よねやま診療所の入院病棟を借り受け、「公立志津川病院(38床)」として再開しました。現在も2拠点での医療が継続されています。

建物の正面に「公立志津川病院」と大きく書かれ、屋上には緑の十字マークの塔屋がある白い3階建ての病院の建物の公立志津川病院の外観写真
白い外壁の建物の一角に「公立志津川病院」と縦書きで表示され、病院の通用口の写真

ただ、このように2拠点に分かれての医療活動は、運営を支えるスタッフには大きな負担となっています。さらに医師も、常勤の方以外は東北大学メディカルバンクより3名の方を派遣していただいている苦しい状況だとか。

奥の丘の上で重機や作業車両が動いており、白い仮囲いとプレハブが設置されている高台の工事現場を写した写真

そんな公立志津川病院と南三陸診療所は、新たな病院としての再建計画が進んでいます。志津川の沼田地区に、2015年度中の開業を目指して90床の病院が建設される予定。土地の造成は2ヶ月前に始まりました。

病院は、「住民が安心して暮らせるまち」にとって欠かせないものです。
今後の地域医療を支える新病院の開業が待ち望まれています。

公立志津川病院・南三陸診療所

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