外壁が板張り木造の二階建ての古い校舎の前に植木がたくさん植えられている校舎の宿「さんさん館」の外観写真

平成11年3月末で廃校になった林際(はやしぎわ)小学校。そこを利用して作られた、校舎の宿「さんさん館」を訪ねました。

こちらは旧林際小学校運営事業組合、組合長の菅原辰雄さん。プロジェクトの発起人です。

事務所の席に座って、笑顔を見せている菅原辰雄さんの写真

この取り組みは、入谷地区にあった入谷小学校と林際小学校の合併が決まり、林際小学校が廃校となったことから始まりました。ご自身もこの校舎で小学校時代を過ごした菅原さんは、「この学校を解体するのではなく、なんとか残したい」ということを強く感じて動き出します。

地域の住民33名に声をかけて、グリーンツーリズムの専門家にも助言をいただきながら、なんとか農水省の補助金を利用できるようになりました。

しかしそれでも足りない分は農協からお金を借りて、更に、菅原さんと同じく小学校を残したいという思いを持つ有志が11名集まって組織した運営事業組合でまかなうことに。

木枠の大きな窓が並ぶ明るい廊下が奥まで続いている校舎の廊下を写した写真
前方に黒板があり木製の机と椅子が整然と並べられている教室の写真

元々の校舎の雰囲気を活かしつつ、宿泊が出来るように改修されています。子どもの頃に憧れた、「学校に泊まりたい」ということが現実になる場所です。

畳敷きの和室に座布団と座卓が置かれていて、落ち着いた雰囲気の室内を写した写真
シングルベッドが2つ並び、テレビや机などの家具も備わった洋室の客室の写真

当初、「本当にお客さんが来るのか?」という心配はあったけれども、いざ蓋を開けてみると、オープン初年度は8,000人ものお客様がいらっしゃったとのこと。

入谷地区に残る日本の原風景に癒されながら、町の農林漁業も体験できるような立派なグリーンツーリズムの拠点となりました。

建物の窓から見える風景で、田舎の集落や緑の山々が広がっている様子の写真

菅原さんはこう話します、「震災後にお越しになるお客様は、被災地支援の方がほとんどで、本来のグリーンツーリズムを求める方は一時的に少なくなっているのが実情です。

でもここには、来るだけで癒される自然や、都会では出来ない農林漁業体験があります。観光のように気軽な気持ちでいいので、とにかく多くの方に一度来ていただきたい。そして、ここの良さを感じて帰って欲しいと思っています。」

「二年一組」と書かれた木製キーホルダー付きの鍵が、宿泊者名簿のような紙の上に置かれている写真

各お部屋は、それぞれに教室の名前が付いていてユニークです

グリーンツーリズム校舎の宿「さんさん館」

  • 住所:南三陸町入谷字山の神平10-1
  • お問い合わせ:0226-46-5633 (予約専用)

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