ピンク色のつつじが咲いている山頂に「田束山」と大きく書かれた木の看板が立ち、眼下に緑の山々と森、海が広がっている風景の写真

海に向かってそびえる田束山(たつがねさん)。
山頂の海抜512メートル、なだらかな登山道とツツジを始めとした自然の景色が楽しめる
町内でも指折りの観光名所です。

ピンク色のつつじが咲いている山頂に「田束山」と大きく書かれた木の看板が立ち、眼下に緑の山々と森、海が広がっている風景の写真
つつじの咲く小道の脇に石仏や石灯籠が並び、整備された芝生の斜面が奥へ続いている写真

その田束山、一方で奈良・平安の時代にこの地を栄えさせた金山であり“霊峰”と謳われる神秘の山でもあります。
奥深い歴史は生半可な知識では語れそうにありません。
まちのなか大学『田束山マイスター養成講座』に参加して参りました。

緑茶のペットボトルがある机の上に養成講座の資料と、「田束山史跡・遊歩道案内図」と題された手書き風の地図が置かれている写真
木造の室内でホワイトボードを使って講義を行う男性と、それを真剣に聞く受講者たちの様子を左後方から撮影した写真

3月31日という年度替わりの日でしたが、席は10数名の受講者で埋まっていました。
講師は歌津地区出身の小野寺寛さん。
炭焼きをしていたお祖父様に連れられ、幼少のころから田束の山々に触れて育ったという方です。

教室の中で右手にペンを持ち、両手を前に出してにこやかに話しながら講義を進めている小野寺講師をアップで撮影した写真

「田束山は豊富な水脈を持っています。
 水があれば田ができ、家や集落ができる。
 そこに修験者が訪れたのが1200年前です。
 金の採取で更に人が増え、仏教が広まりました。
 そして金が採れなくなるにつれて人里と寺院は低地へ移っていきました。
 文化は山から伝わったんです。」(寛さん)

山の上の舗装された駐車場から海と空と広大な山並みを一望できる風景を撮影した写真

歌津や三陸周辺の地名の由来、源平の攻防と山々の関係。
およそ1時間半の講義には他では得られない知識が詰まっていました。
実はそこが、寛さんが現在危惧する問題でもあります。
田束山の語りべが少なくなっているのです。

ホワイトボードに大きく「金色堂」と縦書きした文字の傍に左手を置き解説をする小野寺講師の写真

受講者には講座を通し、まずは田束山の魅力を知ってもらいたいと話す寛さん。
初回は座学、続く4月・5月の回では実地で山を学び、全3回の講座で田束山の案内人としての知識が身に付けられるとのこと。
更に5月末からは、受講者が実際に観光ツアーのガイドを務める予定だそうです。
つまり受講開始から2ヶ月でお客様の前に出るということです。

思わず怯んでしまいそうですが、田束山にはそれでも知りたくなる魔力があります。
竜神の化身とも伝えられる田束山。
実際に不思議な力を持っているに違いありません。

赤く色づいた木々の傍に、遠くの町と海が広がる風景を見下ろすように立っている観音菩薩の石像の後ろ姿の写真

まちのなか大学 田束山マイスター養成講座

次回第3回 5月9日(土曜日)13時~16時

(日比谷)

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