会議室で十数名の参加者が椅子に座って前方のスクリーンを見つめながら、男性講師の話を聞いている写真

9月26日夕刻。
特別養護老人ホーム いこいの海あらとの一室にて『荒砥塾(あらとじゅく)』が開かれました。

会議室で十数名の参加者が椅子に座って前方のスクリーンを見つめながら、男性講師の話を聞いている写真

『荒砥塾』は地域の人々に向けて始まった健康教室です。
今年の5月からほぼ毎月、医療や介護の専門家を招き講演形式の教室を開催しています。
連続で出席する熱心な生徒も多いようです。

塾の中心となるのは いこいの海あらと嘱託配属医師 中村幸夫先生。
先生は南三陸診療所レディース外来非常勤医やARHメディカルアドバイザー、町内介護老人福祉施設の施設長も兼任されており、地域医療に深く携わっておいでです。

この日のテーマは『受動喫煙』。
「震災でせっかく助かった命をタバコで失うなんて!」と憂う中村先生。
およそ20名の生徒を前に自ら登壇しました。

「吸う人も吸わない人も一緒に考えてみませんか?受動喫煙」と書かれたスライドを背景に、マイクを持った男性講師が話している写真

「私は産婦人科医として働く中でタバコが女性や妊婦・子どもへ及ぼす害を見てきました。
 本人は吸わずとも身内に喫煙者がいれば自分の意思と関係なくタバコの煙を吸わされてしまいます。」

体内に蓄積した煙はがん等の病気を誘発し、妊娠中であれば早産や流産の確率も高めます。

タバコ税増税などの影響で全国的に喫煙者数が減っていますが男性に比べ、女性の喫煙者数は横ばい。
現在40代~50代の女性が若い頃から吸い続けているケースが見られるそうです。

喫煙率の年次推移を示すグラフを指さしながら、マイクを使って説明している男性講師の写真

「避難所生活の頃、何もない時期にタバコを奨められてつい吸ってしまったという人は多いですね。」
「タバコを律する意識が震災ストレスで緩み、それがいまだに続いている気がします。」

聴講席から地域の喫煙率の高さを案じる声が上がります。
生徒の多くが医療・介護従事者、そして組織のリーダーたち。
それぞれタバコ問題には悩まされているようです。

男性の参加者が前方を見ながらマイクを使って講師に質問をしている様子で、講師はスクリーンの方を向いている写真

「ストレス解消のためにタバコを吸う、と言うがタバコでその原因はなくならない。
 カウンセリング中心の指導を受けることで、ニコチン中毒から『卒煙』することができます。」

これまで多くの患者さんを卒煙させてきた中村先生の言葉に生徒たちから拍手が上がりました。
目指すは『タバコフリー・イン・南三陸』ですね。

椅子に座ったり立ち上がって拍手をしている笑顔の参加者たちを横から撮影した写真

およそ1時間の講演には『今知っておくべきこと』が詰まっていました。
荒砥塾次回10月のテーマは『看取り』。
いこいの海あらとで始まったばかりという『看取り支援』の取り組みの半年間を振り返るそうです。

v.荒砥塾(南三陸町を勝手に支援し隊)
facebookページ https://www.facebook.com/groups/v.ARATOjuku/

(日比谷)

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