左側に仮設住宅が並び、車が駐車している広いアスファルトの道が、奥まで続いている写真

「模型を通し、ふるさとの姿を思い出してもらおう」そんな試みが学生たちの手で続けられています。
『「失われた街」模型復元プロジェクト』。
先日、そのワークショップへお邪魔してきました。

左側に仮設住宅が並び、車が駐車している広いアスファルトの道が、奥まで続いている写真

南方仮設住宅、戸数300超。
集会所に入ると精密な白い模型が広がっていました。
縮尺500分の一、震災前の志津川市街地3ヘクタールが再現されています。

壁に沢山の写真が飾られた室内に白い立体地形模型が複数並び、複数の人たちがその模型を囲んで話し合っている写真

この日は開催初日でしたが既に色とりどりの「記憶の旗」が立てられていました。
『○○さんち』『よくお花見した場所』『自分で建てた家』…

白い地形模型の上に色とりどりの透明な旗が多数立てられている様子をアップで撮影した写真
白い地形模型の中に家や建物が配置され、青や黄色の短冊に地名や人名が書かれて多数立っている様子をアップで撮影した写真

「今日の早い時間に15人ほどが来てくださいました。
 元のご自宅に色を塗っていった方もいます。」

そう話すのは今回のリーダー、神戸大学大学院工学研究科 阪本昌則さんです。

背景に年配の女性が笑顔で立っている明るい室内で、若い男性が笑顔で小さな透明の旗を手にしている写真

「このプロジェクトは震災後すぐ、建築を学ぶ学生が中心となって起ちあがりました。
 学生の作った模型に街の人々の手で思い出を加えてもらうことで記憶の風化を防ぎ、街の姿を保存していこうというものです。
 2011年夏の気仙沼を皮切りに岩手・宮城・福島の各地でワークショップを展開しています。」

基礎となる模型は震災前の地図や航空写真を参考に制作。
今回の志津川市街地模型の制作期間は1か月。
およそ30人がかりの作業となったそうです。

小学生くらいの男の子が模型部品を手にする女性の隣で笑顔でカメラを見つめている写真

「私たちも、作っているうちにその場所に共感を覚えてしまい町をもっと知りたくなるんです。
 皆さんにも模型を通じてふるさとへの思いを深めてほしい、そして町の再生への希望の糧にしてほしい、そう願っています。」(阪本さん)

多くの人が立体模型の周囲に集まり、奥に設置された模型の傍で、ガンマイクやENGカメラでテレビ局が撮影を行っている様子の写真

南方でのワークショップは21日まで。
22日からは南三陸ポータルセンターへ移動するそうです。
数日後によみがえる町はどんな色なのでしょうか。
皆さんもぜひ確かめに来てください。

記憶の街ワークショップ in 志津川

  • 日時:5月22日(木曜日)~25日(日曜日) 午前9時~午後18時
  • 場所:南三陸ポータルセンター

「失われた街」模型復元プロジェクト サイト 

(日比谷)

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