広い芝生の広場に多くのテントが並び、地域の人々が集まって交流や販売を楽しんでいる様子の写真

「この土地で続く暮らし」をコンセプトに、入谷地区「ひころの里」で毎年2回開催されている「ひころマルシェ」。10月8日に行われた「ひころマルシェ2017秋」は、さわやかな秋晴れのもと、大勢の人でにぎわいました。

食べる、作る、遊ぶ。五感で楽しむ「ひころマルシェ」

ぽかぽかと気持ちのよい秋の1日。ひころの里の原っぱに、約40のテントやブースが並びました。「ひころマルシェ2017秋」の開催です。パン、おにぎり、スープ、果物・スイーツなど、さまざまなフードやドリンクのほか、草花、古本、アクセサリーなど、さまざまなお店が登場。草木染や木工ワークショップなどの体験ブースも充実しており、子どもたちがさまざまな遊びを楽しめる「子どもあそび場」もあります。

おにぎりヤタイと書かれた白い看板がある木製の屋台の前で、青空の下、3人のスタッフが笑顔でピースサインをしている、屋外イベントの様子の写真

入谷の新米で作ったおにぎりの屋台

子どもたちと大人が芝生の上で輪投げや水遊びをしながら楽しんでいる、屋外イベントの様子の写真

「子どもあそび場」では、子どもたちがフラフープや縄跳び、シャボン玉を楽しんでいた

さらに、ライブステージあり、外ヨガありと、盛りだくさん。スタッフ・出店者も含めて1182人の来場者があり、子どもも大人も思い思いに楽しみました。

木々に囲まれた芝生の広場で、木のベンチに座った人たちが手作り感のあるステージで演奏を楽しんでいる音楽ライブの写真

「HiCo ROCK」(ひころっく)と称したライブも開催。ステージは竹で組まれ、必要な電力はすべてソーラーパワーでまかなわれた

「この土地で続く暮らし」を大切にした手作りの市

「ひころマルシェ」は2015年秋に9ブースで始まり、今回で5回目の開催です。主催するのは、土地の暮らしを学びながら、ゆるやかにつながるコミュニティ「うみさと暮らしのラボ」。「この土地で続く暮らし」というコンセプトのもと、おいしく、楽しく、すこやかな“にぎわいの市”をつくってきました。

ひころマルシェでは、次のことを大事にしています。

  1. 里山・里海のめぐみとともにある持続可能な暮らしをもとめて、地球とカラダにやさしいオーガニック(有機)と循環を徐々に実践していくこと。
  2. 持続的な暮らしに近づく知恵を分かち合い、発信すること。
  3. この土地で続く次の時代の暮らしをつくっていくのは子どもたち。多世代のいろんな人が子育てを温かく見守り、子連れで出かける楽しい場があること。

これらの趣旨にもとづき、里山・里海の暮らしを楽しむお店が集まり、「自然にふれる」「天然素材を使う」「もったいない、エコ、リサイクル」などを形にする手づくりワークショップが行われ、心とカラダを癒す時間・空間が生まれました。

テーブルの上に毛糸や手芸道具を並べて屋外で開かれたワークショップで、スタッフが参加者に手芸のやり方を優しく教えている様子の写真

穴の開いた服や小物を、カラフルな糸で繕う「ダーニング」講座

帽子をかぶった子どもが白いトレーに並べた草花を使って、紙の上で自然素材のバッジを作るワークショップ体験の様子の写真

草花でオリジナルのバッジを作るワークショップ

土地の知恵を交換し合い、つながりが生まれる場

ひころマルシェの事務局、「うみさと暮らしのラボ」のNPO法人ウィメンズアイ理事・塩本美紀さんに話を聞きました。

「ひころマルシェでは、この土地の豊かなめぐみを地域の人たちがうまく生かせるように、知恵を交換し合える場を目指しています。ですので、遠くの出店者も趣旨が合えば歓迎しています。そこから、ご縁やつながりが生まれるのです」。

また、子育て世代が楽しめるよう、そして子どもが思いっきり遊べるようにと、ひころマルシェでは「子どもあそび場」に力を入れています。「ひころマルシェは、ひころの里との共催で行っています。多くの子どもたちに遊びに来てもらうことは、ひころの里の願いでもあったので、ひころマルシェという形でそれを実現できてよかったです」と塩本さん。「ひころマルシェには、『自然とともに暮らす知恵 孫の孫まで伝えたい』という、ひころの里の想いものせているのです」

斜面に広げた段ボールの上を子どもたちが勢いよくすべり降り、保護者たちが見守る中で楽しそうに遊んでいる段ボールすべり遊びの写

「子どもあそび場」のうち、芝生の斜面では子どもたちが段ボール滑りに夢中になっていた

今回のひころマルシェで特徴的だったのは、「ファイバー・アップサイクル」のワークショップでした。これは、事務局企画として、講師を呼んで行われたもの。「よりテーマ性を高めるため、事務局がみずから仕掛けていきました」と塩本さん。ダーニング講座は大人気で、予約はすぐに埋まりました。

野外の芝生広場に設けられたブースで、スタッフの女性が編み糸を手渡しながら子どもに笑顔で接しており、周囲に参加者の皆さんが数名集まっている様子の写真

「ファイバー・アップサイクル」のワークショップでTシャツを裂いて編み糸(ヤーン)を作る塩本さん(左から2番目)

「これからも、ひころマルシェを通して、地元の知恵を受け継いでいきたいです。回を重ねるごとに、地元の人たちと有機的なつながりができてきました。たとえば地元の食品加工グループなど、いろいろな人・グループが出店しやすいように、事務局ではできるかぎりのサポートをしていきます」。塩本さんはマルシェにかける想いを語ってくれました。

次回のひころマルシェは、2018年初夏に開催される予定。どんな市になるのか、今から楽しみですね。

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