穏やかな海と遠くの山を背景に、海辺でたくさんの学生たちがゴミ袋を前に置き2列に並んでいる集合写真

この記事は「一般社団法人南三陸研修センター」より寄稿頂きました。寄稿の依頼は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

2016年9月19日から10月29日までの41日間、今年度新設された大正大学地域創生学部の学生が地域実習を行っています。地域人としてまちの活性化を担うことを使命とする人材育成を目指すための同大学と南三陸研修センターの初の試みをご紹介します。

地域を愛し、地域を支え、日本の未来を構築する人材育成

地域創生学部が目指すのは、地域問題を解決し、これからの地域を担う人材を育成することです。学生は1年次から4年次まで都市と地方の双方で長期の地域実習に取り組みながら、都市の視点で地域活性化に貢献し、地方の視点で都市問題にアプローチできる力を習得していきます。

マイクが置かれた白い机の前で、白いシャツを着た学生と向かい合って立つスーツ姿の佐藤町長が、指示書を読んでいる様子の写真

町長より地域実習の「指示書」を受け取る学生

全国7つの地域に分かれて実習を行っていますが、南三陸は地域講師によるレクチャーに始まり、福興市などの地域ボランティア活動や町内事業所2か所でのインターン、ひころ秋祭りでの催し物企画など、地域と密に関わるプログラムが充実しています。

教室で8人の学生たちがモニター画面に映る他地域の人達とのオンライン会議を行っている後ろ姿の写真

週に一度、テレビ会議を通して各地域と情報交換しながら独自の地域資源について学びを深めている

学びのフィールドとしての南三陸

海岸で紙を掲げて説明している一人の男性の話を学生たちが真剣に聞いている後ろ姿の写真

山と海と里が密接につながる稀有な分水嶺という地形は、自然の循環を学ぶのに最適であり、震災の教訓やそこから生まれた活動の事例も豊富でありながら、志ある若者のアクションに協力・応援する人々がいる、多様な人と共に挑戦ができる町です。特に若い世代にとって、この町で立ち上がろうとする人々の生き様やこの地に結集する多種多様な人との出会いは、大きな学びの種となることでしょう。

また、若い世代ならではの視点で見つけた価値や想いが、地域づくりの実践を活性化させていくことや、成長に立ち会い、忘れられない体験を共有していくことで、将来的な交流人口の増大に大きく寄与するなど、町にとっても大きなメリットを生むことが想定されます。

教室で前方に立っている男性の話を、資料が置かれているテーブルの席に座った多数の若者たちが和やかに聞いている写真

毎日の振り返りの時間では一人一人が自分の体験や想いを共有している

町内9つの事業所でインターンシッププログラムが始動

現在、町内各事業所でのインターンシップが始まりました。2事業所を6日間ずつの合計12日間。公的・非営利団体と民間企業を1箇所ずつ、様々な立場から地域創生を考える構成となっています。

白衣と帽子をかぶった学生たちが白いすり身が入った大きな機械の前で職員の説明を受けながらメモを取っている実習の様子の写真

及善商店 実習の様子

二人の女性が机越しにメモを取りながら赤いシャツを着た女性と向かい合って話しているインタビューの様子の写真

南三陸研修センター 情報発信サイトのためのインタビューを行う様子

周囲には緑豊かな森が広がっている稲刈りを終えた田んぼで、数名の学生と農業従事者がはさ掛け作業をしている様子の写真

入谷にて 地元の人たちと稲刈り

続いていく関係性が生み出す新しい価値とは

地域創生学部は地域実習の後、東京に戻りそれぞれの研究課題を深め、2年次には都市部で実習、3年次には再び南三陸に戻って実習を行っていきます。その後、地域実習の枠を超えて、ともに地域創生に取り組む関係性が構築されることが期待されています。

南三陸研修センターでは「未来を創る人を育む」というビジョンを掲げ、数々の地域振興プロジェクト・大学生/新入社員研修プログラム・宿泊研修施設運営を行って参りましたが、今回のように長期の研修を受け入れるのは初めてのことです。

ここ南三陸は、人や自然とのつながりを学び、地域課題と向き合う最適のフィールド。3年後、5年後、10年後…もっと先まで続いていく関係性の中で、学生・大学・町民・全ての主体が学び合い、何を感じ、どんなことに取り組んでいくことになるのか、可能性は未知数です。

今まさに始まった大正大学との取り組みに、ぜひ、ご注目ください。

たくさんの学生たちが建物の前で「南三陸まなびの里いりやど」と書かれたオレンジ色の横断幕を掲げながら元気にポーズを取っている集合写真

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〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田101番地
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