○南三陸町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例

令和5年3月16日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、町の豊かで美しい自然環境、魅力ある景観及び良好な生活環境の保全と再生可能エネルギー発電設備を設置する事業との調和を図るために必要な事項を定めることにより、潤いのある豊かな地域社会の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 再生可能エネルギー源 エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律施行令(平成21年政令第222号)第4条に規定する再生可能エネルギー源をいう。

(2) 再生可能エネルギー発電設備 再生可能エネルギー源を電気に変換する設備及びその附属設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。

(3) 事業 再生可能エネルギー発電設備の設置(当該設備を設置するために行われる土地の造成工事(立木の伐採、切土、盛土等を含む。)を含む。)及び当該設備により発電を行う事業をいう。

(4) 事業者 事業を計画し、これを実施する者又は実施しようとする者をいう。ただし、国及び地方公共団体を除く。

(5) 事業区域 事業を行う一団の土地(再生可能エネルギー発電設備に附属する管理施設、変電施設、緩衝帯等に係る土地を含む。)の区域であって、柵等の工作物の設置その他の方法により当該一団の土地以外の土地と区別された区域をいう。

(6) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(8) 住民等 行政区の区域内又は事業により影響を受ける可能性を有する区域内に居住する者及びこれらの区域内に所在する法人その他団体並びに土地若しくは建築物を所有し、又は使用する者をいう。

(基本理念)

第3条 町の豊かで美しい自然環境、魅力ある景観及び良好な生活環境は、町民共通のかけがえのない財産として、現在及び将来にわたって町民がその恩恵を享受できるよう、町民の意向を踏まえて、その保全及び活用が図られなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、この条例の適切かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講じなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守するとともに、町の豊かで美しい自然環境、魅力ある景観、災害の防止その他生活環境に十分配慮しなければならない。

2 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域を適正に管理しなければならない。

3 事業者は、事業で発生する廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)を適正に処理するとともに、事業を廃止するときは、再生可能エネルギー発電設備等を放置することなく速やかに撤去し、及び適正に処分し、並びに事業区域に係る土地について環境保全・景観保全等のための必要な措置を講じなければならない。

(町民の責務)

第6条 町民は、基本理念にのっとり、この条例に定める手続の実施に協力しなければならない。

(抑制区域)

第7条 町長は、事業の抑制を求める区域(以下「抑制区域」という。)を指定することができる。

2 町長は、必要があると認めるときは、前項の規定により指定した抑制区域を変更し、又はその指定を解除することができる。

(説明会の開催)

第8条 事業者は、次条の規定による協議を行う前までに、住民等に対し、事業に関する説明会を開催しなければならない。ただし、町長が説明会を開催することが困難であると特に認める場合であって、住民等への戸別訪問その他の適当な方法により住民等に当該事業に関する計画(以下「事業計画」という。)を周知することができるときは、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、次条第3項の規定により協議した事業を変更しようとする場合であって、当該変更の内容が規則で定める軽微なものであるときは、同項本文による説明会の開催を要しない。

3 事業者は、設置しようとする再生可能エネルギー発電設備の出力の合計が50キロワットに満たない場合には、事業計画を周知することにより、第1項の説明会の開催に代えることができる。

4 住民等は、事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができる。

5 事業者は、前項の規定による意見の申出があったときは、当該申出をした住民等と協議しなければならない。

6 事業者は、住民等の理解を得られるよう努めるものとする。

(協議)

第9条 事業者は、再生可能エネルギー発電設備の出力の合計が10キロワット以上の事業を実施しようとするときは、再生可能エネルギー発電設備の設置に係る工事(以下「工事」という。)の着手予定日の90日前までに、町長に協議しなければならない。この場合において、事業区域に抑制区域が含まれるときは、想定される影響及び当該影響への対策を記載した書面を添えて協議しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、太陽光を再生可能エネルギー源とする事業で、次に掲げる事業については、同項による協議を要しない。

(1) 建築物の屋根、屋上又は壁面で行う事業

(2) 抑制区域以外の区域において、個人が自己の居住する土地又は隣接する土地で行う再生可能エネルギー発電設備の出力の合計が50キロワット未満の事業

3 事業者は、第1項の規定により協議した事項を変更しようとするときは、速やかにその旨を町長に協議しなければならない。

4 町長は、第1項又は前項の規定による協議が終了したときは、事業者に終了した旨の通知をするものとする。

5 事業者は、正当な理由がない限り、前項の通知を受けるまでは、工事に着手してはならない。

(工事に係る着手等の届出)

第10条 事業者は、工事に着手し、又は工事を完了し、廃止し、中止し、若しくは中止していた工事を再開するときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

(地位の承継)

第11条 事業者から事業譲渡等によりその地位を承継した者は、規則で定めるところにより町長に届け出なければならない。

(事業の廃止)

第12条 事業者は、事業を廃止したときは、規則で定めるところにより町長に届け出なければならない。

2 事業者は、再生可能エネルギー発電設備等の撤去が完了したときは、規則で定めるところにより町長に届け出なければならない。

(報告及び立入調査)

第13条 町長は、事業者に対し報告及び資料の提出を求め、又は町の職員に、事業区域に立ち入り、当該事業に関する事項について調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

(指導又は勧告)

第14条 町長は、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導することができる。

2 町長は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、当該事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 第9条の規定による協議を行わないとき、又は協議の内容に虚偽があるとき。

(2) 第9条第5項の規定に違反したとき。

(3) 前条の規定による報告若しくは資料の提出をしないとき、又は報告若しくは資料の内容に虚偽があるとき。

(4) 前条の規定による立入調査を拒み、若しくは妨げ、又は忌避したとき。

(5) 前条の規定による立入調査の際に質問に答弁しないとき、又は答弁の内容に虚偽があるとき。

(6) 正当な理由がなく前項の規定による助言又は指導に従わなかったとき。

(公表)

第15条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、当該事業者に弁明の機会を与えなければならない。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和5年8月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の第5条及び第8条から第15条までの規定は、この条例の施行の日前に着手した事業については、適用しない。

南三陸町自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例

令和5年3月16日 条例第2号

(令和5年8月1日施行)