○南三陸町文化財保護条例

平成17年10月1日

条例第88号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 町指定文化財(第4条―第14条)

第3章 指定文化財以外の文化財の登録(第15条)

第4章 文化財保護委員会(第16条―第21条)

第5章 補則(第22条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び文化財保護条例(昭和50年宮城県条例第49号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で町の区域内に存するもののうち特に重要と認められるものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物で、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は技術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で町民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、渓谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は鑑賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(財産権の尊重)

第3条 南三陸町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

第2章 町指定文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財のうち重要なものを南三陸町指定文化財(以下この章において「町指定文化財」という。)に指定することができる。ただし、無形文化財にあっては、当該町指定文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で、代表の定めのあるものをいう。)を認定しなければならない。

2 前項の規定による指定をしようとする場合には、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者、保持者又は権限に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、当該文化財の所有者等が判明しない場合は、この限りでない。

3 教育委員会は、第1項の指定をしようとするときは、文化財保護委員会の意見を聴かなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示し、かつ、当該文化財の所有者等に通知しなければならない。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該町指定文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 町指定文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定により指定を解除しようとするときは、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 町指定文化財について、法第27条第1項若しくは第71条第1項若しくは第78条第1項又は第109条第1項の規定による国指定文化財又は県条例第3条第1項若しくは第16条第1項若しくは第22条第1項又は第32条第1項の規定による県指定文化財として指定があったときは、当該町指定文化財の指定は解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、速やかにその旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者等に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による通知を受けたとき、又は前項の規定による通知を受けたときは、所有者等は、速やかに町指定文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者等の管理義務及び管理責任者)

第6条 町指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づいて別に定める教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該町指定文化財を管理しなければならない。

2 町指定文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該町指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者等は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、また同様とする。

4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。

(届出)

第7条 町指定文化財の所有者等は、次に掲げる場合は、速やかに教育委員会へ届け出なければならない。

(1) 所有者等が変更したとき。

(2) 所有者等の氏名若しくは名称又は住所が変更したとき。

(3) 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗難にあったとき。

(4) 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき。

(管理又は修理の補助)

第8条 町指定文化財の管理又は修理につき、多額の費用を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

(管理又は修理に関する勧告)

第9条 教育委員会は、町指定文化財の管理が適当でないため当該町指定文化財が滅失し、損傷し、又は亡失するおそれがあると認めるときは、所有者等又は管理者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

2 教育委員会は、町指定文化財が損傷している場合において、その保存のために必要があると認めるときは、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 町は、前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用の全部又は一部を予算の範囲内で負担することができる。

(現状変更等の制限)

第10条 町指定文化財に関してその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置を執る場合その他教育委員会規則で定める場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(修理の届出等)

第11条 町指定文化財を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第8条の規定による補助金の交付、第9条第1項若しくは第2項の規定による勧告又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 町指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言を与えることができる。

(公開)

第12条 教育委員会は、町指定文化財の所有者に対し、6箇月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため、当該町指定文化財の出品を勧告することができる。

2 教育委員会は、管理修理又は復旧につき補助金を交付した町指定文化財の所有者に対し6箇月以内の期間に限って、教育委員会の行う公開のように供するため当該町指定文化財を出品することを命ずることができる。

3 教育委員会は、前2項の規定により町指定文化財が出品されたときは、当該町指定文化財の管理に任ずべき者を定めなければならない。

(報告)

第13条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定文化財の所有者又は管理者に対し、当該町指定文化財の現状又は管理修理若しくは復旧の状況につき、報告を求めることができる。

2 教育委員会は、第4条第1項の規定による指定又は第5条の規定による指定の解除をしようとするとき、その他必要があると認めるときは、調査に当たる者を定め所有者の同意を得て町指定文化財の所在する場所に立ち入り、調査を行わせることができる。

3 前項の規定により立入調査をする場合においては、当該調査に当たる者は、その身分を証明する証票を携帯し関係者の請求があったときは、これを示さなければならない。

(所有者等変更に伴う権利義務の継承)

第14条 町指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は、当該町指定文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を継承する。

第3章 指定文化財以外の文化財の登録

(登録等)

第15条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財のうち法若しくは県条例又はこの条例の規定により指定された文化財以外の文化財を登録し、その保存及び活用のため必要な措置を講ずることができる。

2 前項の規定による登録及び文化財の活用に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

第4章 文化財保護委員会

(設置)

第16条 教育委員会に、文化財保護委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、この条例の規定によりその権限に属せられた事項を調査審議するほか、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する専門的及び技術事項を調査審議する。

(組織)

第17条 委員会は、委員7人以内で組織する。

2 委員は、文化財に関し学識経験を有する者のうちから、教育委員会が任命する。

(任期)

第18条 委員の任期は、4年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(委員長及び副委員長)

第19条 委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選によって定める。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、副委員長がその職務を代理する。

(会議)

第20条 委員会の会議は、委員長が招集し、委員長がその議長となる。

2 委員会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(雑則)

第21条 この章に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。

第5章 補則

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の志津川町文化財保護条例(昭和62年志津川町条例第10号)又は歌津町文化財保護条例(平成10年歌津町条例第17号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

南三陸町文化財保護条例

平成17年10月1日 条例第88号

(平成17年10月1日施行)