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ぎょぎょう かなおれかっこ
【漁業】カナオレカッコ

【漁業】カナオレカッコ

 南三陸町で、沿岸漁や磯漁に最も一般的に使用された船はカッコブネ(合木船)でした。カッコブネの歴史は古く、中世の初頭にはすでに作られていたといわれています。明治中期までのカッコブネは、二本の丸太をL字型にくりぬき、その二材を合わせて船を作っていたようですが、その後は二本のL字にくりぬいた丸太(カナオレと呼びます)の間にシキ材を挟み込んで舩幅を広げたカナオレカッコブネが建造されるようになりました。船体の大きさは全長(シキナガ)20尺(約6m)、船幅3尺5寸(約106cm)、深さ1尺2寸(約36cm)ほどでした。この船は、2本の丸太をくりぬいて使うことから、重く小回りが利かないという欠点があるものの、逆に頑丈で安定性があり、岩礁の多い沿岸水域での漁労には適していましたが、船材に樹齢70年以上の大木が必要であることから用材の確保が難しくなってきたことや、FRP等の新素材が普及したことにより姿を消してしまいました。

【「志津川町誌」使用写真より】

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